Youth World Water Forum 2005
TOP プログラム 世界青年水憲章 Youth World Water Forum 2005
お問い合わせ
「ユース世界水フォーラム2005」で採択された「世界青年水憲章」は今後の世界のユースの水行動指針となり、 全世界へ発信されるとともに、2006年3月にメキシコで開催される「第4回世界水フォーラム」で発表され、 第4回世界水フォーラムの閣僚宣言への反映を目指します。また、「国連水憲章」が採択されるよう、国連機関への働きかけを行っていきます。

みなさんのご意見をお待ちしています。


世界青年水憲章
◆イントロダクション 私たちは、過去20年以上に亘って、水問題の解決への歩みが殆んど停滞し、進んでいないことに衝撃を受けています。
政策決定者に比べて、固定観念や先入観にとらわれる危険性が少ない私たち若者には、水問題解決の中で果たすべき役割があります。
それは、新鮮で革新的なアイデアを生み出し、それらを実際に行動へと移していく役割です。
私たちは信じています。あなたが若者や地域社会と協力して、自発的な参加と支援を行うことで、問題解決への行動が素早く実施され、水問題が解決されるということを。
◆人権としての水 若者は、利害関係者と協力して、「すべての人が水に対してのアクセス権を持つことを規定する」国連宣言決議の可決が適切に行われるべく、 積極的に働きかけていくことを表明します。
上記の権利は、「人間としての基本的ニーズを満たすために、すべての人が生産物への水利用を含む、十分で安全かつ衛生的な水にアクセスできる権利」であると解釈されるべきです。
水にアクセスする権利と対になる、「責任を持って利用する義務」は、すべての個人に課されるべきものです。今日からでも、法的・政治的枠組みの作成・修正に関して、政府は若者に意見を求めるべきであると考えます。
政府は水問題を1つの側面からではなく、健康・林業・農業・食糧自給および確固たる生態系管理などの諸問題とともに複合的に考える必要があります。
加えて、若者・女性・先住民ならびに社会から疎外されている他のコミュニティに権限を与え、政策決定の場へ発言の機会を持たせることは重要課題として扱われるべきです。
◆持続可能な開発への教育 人権としての水を「責任を持って利用する義務」を果たすべく、すべての個人は持続可能な水資源開発や水利用に関するサービスの在り方を模索し、 その実現のために行動していかなければなりません。教育は、その行動における最も根底の部分であり、重要な要素の1つであります。
よって、持続可能な開発および水問題への重要性に関する教育は、早い段階からの教育課程の中に組み込まれ、若者に認識されなければなりません。
また、その高い認識を基盤とし、高等教育機関においては、水問題解決に向けた新技術開発・研究を行うことが出来ます。
しかし、国によっては、高等教育機関への資金提供が十分になされておらず、そのような国においては、開発・研究を支えるために十分な投資がなされる必要があります。
私たちは開発・研究を進めていく上で、新しく実用的な解決技術開発に加え、伝統的な地域社会特有の水管理システムの復興ならびに現行システムとの融合を推奨します。
若者は、地域住民や、その地域の水環境に詳しいすべての利害関係者から伝統的水利用方法や管理方法を学ぶことにより、 地域的特徴に適合する新たな技術を開発することが出来ると考えています。
◆ガバナンスと地域社会 =制度的枠組みの確立=
教育を通して地域住民が獲得した知識や意識、もしくは高等教育機関で開発した技術を十分に活かすためには、地域住民の声が排除されることのない、 公正な枠組み作りが欠かせません。
法律・政策ならびに規制に関する、透明かつ若者は、利害関係者と協力して、「すべての人が水に対してのアクセス権を持つことを規定する」 国連宣言決議の可決が適切に行われるべく、積極的に働きかけていくことを表明します。
上記の権利は、「人間としての基本的ニーズを満たすために、すべての人が生産物への水利用を含む、 十分で安全かつ衛生的な水にアクセスできる権利」であると解釈されるべきです。
水にアクセスする権利と対になる、「責任を持って利用する義務」は、すべての個人に課されるべきものです。
今日からでも、法的・政治的枠組みの作成・修正に関して、政府は若者に意見を求めるべきであると考えます。
政府は水問題を1つの側面からではなく、健康・林業・農業・食糧自給および確固たる生態系管理などの諸問題とともに複合的に考える必要があります。
加えて、若者・女性・先住民ならびに社会から疎外されている他のコミュニティに権限を与え、政策決定の場へ発言の機会を持たせることは重要課題として扱われるべきです。
◆水管理者としての公共セクターと民間セクター 既述の「人権としての水」にアクセスする権利を実現させるためには、水供給サービスの在り方を再考する必要があります。
我々は改めて「水は公共財」であるということを認識し、利益のために売るべきではなく、企業に対して貧困層からの利益搾取を行ってはならないことを訴えて行かなければなりません。
国際金融機関は資金提供先国自身の水協同組合を促進するべきであり、民間部門の関与を資金調達の前提条件にしてはなりません。
水利用サービス提供者は、公正な価格設定を保障するべく規制・監視されて然るべきです。
このため、適切な規制・監視の枠組みを創設することは求められてきます。
私たちは、水の価格の上限を決める権限と運用条件を課すのに必要な規制内容を作成する権限を持った、中立的な第三者機関を設立することを推奨します。
この中立的な第三者機関は、専門家・市民社会ならびに若者等を含む、水問題解決において果たすべき役割がある人々の代表によって構成されるべきです。
さらに、水価格を設定する適切な仕組みが確立することは重要です。
それは、すべての人々が水利用サービスの供給・構成にアクセスする権利を保障する意味で必要なことです。
コスト等の必要な事柄はすべて数値化されて表現されるべきですが、数値化することが逆に住民への公正なアクセスの障害となってはいけません。
連結補助金支出や連結予算を含む、アクセスを保障するための様々な手法は存在します。
水利用に関するサービスは、透明な会計制度を持つべきであり、すべての支出項目は公に対して説明されるべきです。
◆水と文化
先進国において
近代化に伴い、我々が日々使用する水の量は増え続け、有限資源であるにも拘らず感謝の意を欠いたものになっています。
現在の先進国における水環境の悪化や過剰利用は、私たち自身のライフスタイルの転換を求めるレベルに達していると考えます。
伝統的な水利用の文化は、将来世代への資源保全を行うために、私たちのライフスタイル転換方法を考える術を教えてくれます。
伝統的な水利用方法と現代との違いに対する正しい知識と認識(例えば、上の世代との交流を通じて学ぶことは出来る)があれば、私たち、若者は正しい水利用方法を実践する機会を得るだけではなく、手本となって周りの人々や次世代の人々に伝えていくことが出来ます。

国際河川流域において
伝統的な水利用文化を見直すことは、上記のような良い影響を私たちに与えてくれますが、一方、それ自体が過去から現在に残存する水問題の原因である場合があります。
しかし、共有される河川流域内の異文化間の交流を進めることにより、更なる有効で効率的な水管理を実現することが可能と考えます。
また、水文化や水にまつわる諸慣習は地域ごとに大きく異なっています。
水管理技術において、近代文明の影響が特に強い発展途上国においては、地域の文化的慣習の重要性を理解・考慮することが大切であり、それらを安易に失ってしまわないように、関連する法的枠組み等に組み込むべきであると考えます。
◆未来へ向けて 水問題の将来を担っていく私たちは、「ユース世界水フォーラム2005」で採択されたこの「世界青年水憲章」を今後の世界の若者の水行動指針とし、全世界へ発信するとともに、 2006年3月にメキシコで開催される「第4回世界水フォーラム」で発表し、第4回世界水フォーラムの閣僚宣言への反映を目指します。
また、私たちは、国際連合がこの「世界青年水憲章」をもとに、公共財である水資源の重要性を認識し、その持続性を確保するための「国連水憲章」を採択するよう働きかけを行っていきます。
最後に、この「世界青年水憲章」をもとに、私たち、若者による新しい発想と行動が生まれ、世界の水問題解決への歩みが再び進むことを強く期待します。

*備考 この憲章は、2003年3月に第3回世界水フォーラムで開催された「ユース世界水フォーラム」にてYoung Water Action Team (YWAT) と Youth Water Japan (YWJ)によって採択された「ヤング・ピープルズ宣言」を基に、NPO法人Waterscapeがイニシアチブを発揮し、2005月8月に「愛・地球博」で開催された 「ユース世界水フォーラム2005」の参加者を含む、途上国から先進国に至るまでの幅広い若者たちによって作成されています。
詳細はwww.waterscape.or.jp
COPYRIGHT 2005 Waterscape ALL RIGHT RESERVED.